「2026地域ミニマム運動」の取り組みについて

はじめに

地域ミニマム運動は、「地域において不合理な賃金格差を是正する」ことを目的に春季生活闘争と一体となって取り組む運動であり、連合で実施する唯一の個人別賃金調査である。特に２０１９闘争以降、産業・地場相場の形成と同一産業内や地域の未組織人別賃金データの収集とその分析、課題解決に向けた支援を強化し、地域ミニマム運動へ積極的に参画する体制づくりを進めている。

連合福島は重要な運動課題として、規模間・地域間での賃金格差是正に取り組んできたが、中小労働者の賃金水準は依然として低位であり、大手と中小の規模間格差は大きい。

そのため地域ミニマム運動では、①個人別賃金調査をもとに賃金カーブ維持分（定期昇給分）を把握し、根拠を明確にした賃金要求の組み立てと交渉の実践、賃金制度の整備に活用、②単組における合理性のない低廉な賃金の底上げと是正、③地場・中小労組の賃金決定要素である、地域における賃金相場を明確にしつつ、地域の賃金水準を引き上げるため、地域共闘の取り組みを一層進め、組織労働者の成果を非正規・未組織労働者へ波及させることをめざす。

　各組織の精力的な取組の結果、集約データが活用に広がりを見せ、次年度以降の闘争をより力強く推進するためにも、これまで以上に連携を深め、賃金の底上げ・底支えを目指し、格差社会の進展を阻止するため、連合福島はこの運動に積極的に取り組んでいく。

1. 具体的な取り組み

（１）地域ミニマム運動への議論を深め、組織センター委員会（中小共闘関係）のもと、構成組織との連携を強化し、中小組合員の２０２５年度の賃金改訂後の賃金実態を調査し、集約する。

 （２）地域ミニマム賃金の信憑性をさらに高めるため、調査データ集約は、３００人未満の中小労組を基本とし１０，０００名 分以上を目標とする。

 （３）賃金実態調査結果と地域の諸事情等を勘案し、年齢ポイントごとに「地域ミニマム賃金（第１十分位基本）＝これ以下の賃金をなくす金額」を設定する。これを単組へ周知徹底し、春季生活闘争と一体的に運動を展開する。

 （４）調査対象組合が大幅に変動することを避けるため、構成組織から既存の参画組合には継続して協力を働きかける。

 （５）賃金実態調査結果を、データを提出した構成組織と参加組合にフィードバックする。また、職場での根拠ある賃金要求、賃金制度の整備等に活用するため、必要に応じて勉強会を開催するなど、十分な説明を行う。

 （６）地域ミニマム賃金のマスコミ発表等により地域で世論喚起をはかる。

 （７）地域別最低賃金の審議においても、賃金実態調査結果や地域ミニマム賃金を踏まえた意見反映を行う。

 （８）中小地場職場における賃金水準を向上していくことにより、パート・未組織労働者

     を含めた地域全体の賃金相場の底上げをめざす。

2. 調査方法（要請内容）

（１）調査内容　

参加組合の全組合員の所定内賃金。（２０２５年９月の月例賃金）

（２）対象組合　

昨年参加した組合は必ず参加して頂くよう、ご協力をお願いする。
参加組合は、３００名未満の中小組合を基本とし、それ以上の組合も可とする。

（３）調査の流れ

2025年の実態調査結果を加盟組合の2026春季生活闘争方針に反映させるべく、可能な限り早い時期から取り組みを進める。

（4）調査票について

調査票（A・B・C票）は従来通りの調査項目になります。