連合福島は、福島県の復興と再生に構成組織の連帯と力強い支援で取り組んでいます。風評被害を払拭し東日本大震災から一日も早い復興を目指そう!

2024~2025年度運動方針について

 Ⅰ.はじめに

連合福島は第34回定期大会において、2022~2023年度の運動方針を確立し、第35回臨時大会では役員体制の一部変更と運動方針の補強を、第36回年次大会で運動方針の補強を行った。そして、構成組織・加盟組合、地域・地区連合は、その方針のもと職場・地域で力強く運動を進めてきた。

 運動方針は、連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会―まもる・つなぐ・創り出す―」を基本に、「①運動の領域と重点化、②組織体制・運営、③人財の確保と育成、④財政など、4つの改革パッケージによる運動領域」の課題整理と重点化を図り取り組みを強化することといている。

福島県の独自課題として、東日本大震災、2年連続となる福島県沖地震や度重なる重大自然災害からの復興・再生、若者の県外流出をはじめとした、労働人口の減少と社会構造の著しい変化、さらにコロナ禍で浮き彫りになった社会の脆弱性などについて、迅速かつ柔軟な対応を図ってきた

Ⅱ.情勢認識と課題

1.社会経済情勢について

(1)約3年半にわたり国民生活に多大な影響を及ぼし続けた新型コロナウイルス感染症は完全な収束に至っていないものの、2023年5月に感染症法上の位置づけが変更され、社会経済は産業ごとに様々な状況を抱えながらも、コロナ禍の先へと向かいつつあります。これは、この間の厳しい環境の中で雇用を守り社会を支えるべく、全国の働く仲間をはじめ社会全体で取り組んだ結果であると受け止める。

一方で、コロナ禍の影響とあいまって、円安やロシアによるウクライナ侵略がもたらした、エネルギーや原材料価格の歴史的な上昇が、国民生活に追い打ちをかけており、社会的セーフティネットの脆弱さ、不安定雇用、貧困や格差の拡大により、弱い立場の人々ほど苦しい状況に置かれている。

(2)サプライチェーンが世界に広がる中、国際的にビジネスと人権をめぐる課題への注目が高まる中、国内では外国人労働者への人権侵害やハラスメントなどが問題となっている。また、地球規模での気候変動や紛争・テロなどの諸課題や、SDGs(国連による持続可能な開発目標)の推進など、世界全体の包摂的な成長と平和の実現に向けた課題解決における労働運動としての貢献も求められている。

(3)コロナ禍前から続く構造的な課題の解決も待ったなしである。不安定雇用の拡大と中間層の収縮、貧困・格差、出生数が過去最低水準となるなど加速する人口減少・労働力不足、社会保障と地域の持続可能性、累積する財政赤字、地球規模の気候変動など、連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す-」で指摘したわが国の構造的な課題は今なお解決しておらず、コロナ禍や国際情勢の変化もあいまって深刻さはさらに増している。

(4)連合ビジョンが掲げる持続可能で包摂的な社会に向けた政策実現の取り組みが改めて求められる。これら諸課題の解決にあたっては、あらゆる分野で女性の意思決定過程への参画を促進し、その影響評価を行いながら政策などに反映する「ジェンダー主流化」の視点も欠かせない。

 

2.政治情勢について

(1)岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」は、新自由主義的政策の弊害に触れ、「成長と分配の好循環」「分厚い中間層の復活」などを掲げているが、所得再分配に向けた税制改革などの姿は見えない。一方で「三位一体の労働市場改革」として、リスキリング、個々の企業実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化を打ち出している。安易な雇用の流動化や格差の拡大に陥らないか、非正規雇用や中小企業で働く仲間を含め、実効性ある雇用のセーフティネット構築につながるのかなど、労働者保護の観点から慎重に見極める必要がある。もとより個別施策の検討にあたっては社会対話が前提となることはいうまでもない。

(2)「異次元の少子化対策」を打ち出したものの、その実効性確保が問われるとともに、財源の確保策は議論が不十分なまま先送りされ、コロナ禍で歳出や国債発行が大幅に増える中、将来世代に対する責任としての財政健全化の姿勢も曖昧になっている。

さらに、わが国をとりまく安全保障環境の変化は、食料、資源・エネルギーの安 定供給確保、経済安全保障などにもかかわるだけに、地域の平和と安定、国民の安全に向けては、まずは外交努力が極めて重要である。「連合の政治方針」では、国の基本政策については国民的コンセンサスづくりが重要であるとしており、これにもとづき連合として今後の動向を注視していく。

(3)政治や政策の課題が山積する一方、国政および地方選挙での投票率低下や議員のなり手不足は、民主主義の危機といっても過言ではないほどに深刻度を増している。すべての働く者の権利をまもり生活を向上させるには、組織内議員をはじめ、働く現場を熟知した仲間を代表として、各級議会に送り出すことが不可欠である。

そのためにも、日常から職場や生活の課題と政治が直結していることが実感でき、働く仲間・生活者の立場に立つ政治勢力の結集・拡大に向け、労働組合ならではの活動の強化が重要である。

 

3.福島県内の情勢について

(1)東日本大震災と原発事故から12年が経過した。県民の懸命な努力と国内外からの支援によって、特定復興再生拠点地域を始めとした避難指示解除や、帰還・移住等に向けた生活環境整備や、11年ぶりとなるJR只見線の全線運転再開など、着実に復興が進んでいる。

しかし、いまだ2万人を超える県民が避難生活を続けている。更なる住民帰還や被災者の生活再建、移住による人口回復対策、原子力発電所の廃炉に向けた作業の着実な進展や、ALPS処理水の海洋放出に伴う風評対策、農林水産業や観光業の再生・強化など、特有の課題が存在している。

また近年、自然災害が多発・重大化する中において、防災・減災への備えや、「自助」「公助」「共助」による安全対策の更なる充実が求められている。

(2)3年以上におよぶコロナ禍や世界経済状況によって県内経済は変動を繰り返しており、活動制限の緩和により持ち直しを見せたが、原材料・エネルギーの高騰が企業活動や消費の足枷になっている。直近の日銀短観(福島県分・6月調査)発表では、業況判断D.I.は製造業で-12ポイント、非製造業は0ポイントとなっており昨年同月比(製造業-14、非製造業-5ポイント)では、一部持ち直しの傾向がみられるが、製造業では繊維、電気機械、非製造業では卸売、運輸・輸送のマイナス幅が大きい。

(3)福島県の推計人口(2023年7月現在)は、1,771千人で前年より23千人減少し、自然減に加え、転入を上回る転出者による社会減の影響も大きい。一方、東京圏(千葉、埼玉、東京、神奈川)の人口は増加し、日本の総人口の約3割を占めることで一極集中がさらに拡大している。

厚労省や総務省の調査によると、賃金水準と転出者増減には相関関係が見られ、賃金の低いところから高いところへの移動(転出)が顕著になっている。地方での待遇や企業の働き方などを見直さない限り、これらの抜本的な対策にはつながらないとしている。

特に、福島県の最低賃金は低位(2022年現在858円)にあり、人口流出の一要因となっていることから更なる引き上げが求められる。

 

4.この1年間における取り組みの検証

(1)「新型コロナウイルス感染症」の影響と対応

長期にわたった新型コロナウイルス感染症は、本年5月の感染対策の見直しにより、社会経済は産業ごとに様々な課題を抱えながらも、コロナ禍の先へ向かいつつある。労働運動においても、厳しい状況のなかで雇用を守り、社会を支えながら、福島県で働く仲間をはじめ、社会全体で取り組んだ結果が表れていると受け止めている。

コロナ禍で広がったオンラインの活用は、次世代の担い手不足により、連合の活動に参加が難しい組合役員にとって運動への参加機会の拡大につながった一方で、対面での開催により得られる活動の熱量や経験の大切さが再認識された。引き続き、両者の相乗効果を高め、更なるコミュニケーションの活性化をはかる。

(2)2023春季生活闘争の取り組み

今 次春闘は、直近の物価高による組合員家計への影響はもちろんのこと、賃金水準の停滞が企業経営や産業の存続、ひいては地域・日本経済の成長に及ぼす影響について、労使が中長期的視点を持って粘り強くかつ真摯に交渉した結果であり、デフレマインドを払しょくし、ステージの転換点となり得る「賃金の引き上げ」に結びついたものと受け止める。

連合福島は、構成組織・加盟組合の協力を得て、春闘方針の意思統一を図りながら社会へのアピール、オルグ等を通じ、中長期的視点を持った「人への投資」にこだわり、粘り強く交渉した結果、「けん引役」として一定の役割を果たすことができたと受け止める。春闘妥結結果は、9年連続かつ比較可能な2018年以降最高格の賃金引き上げとなり、平均賃金上げ額は8,681円、引き上げ率は3.11%と昨年比で増加となった。

 (3)政策・制度実現の取り組み

連合福島は、県内で働く人すべての生活の安定・向上を目的として、政党や議員、首長との連携による政策・制度要求と実現に取り組んでいる。今年は第20回統一地方選挙に取り組み、連合福島を中心とする五者協議会(立憲民主党・国民民主党・社会民主党・県民連合・連合福島)を適時開催し、県議会議員選挙を中心に情勢の共有、候補者の擁立、支援の枠組みなど意思統一を図りながら取り組んだ。任期満了に伴う県内首長(市町村長)の選挙では、当該地域・地区連合との連携のもと推薦・支持の方針決定とともに取り組みを進め、結果、白河市長選(支持)、会津若松市長選(推薦)のいずれの候補者も当選を果たすことができた。各市町村議会議員選挙では、多くの推薦・支持議員の当選を勝ち取ることができた。

今後、執行される福島県議会議員選挙をはじめとする各級議会議員選挙及び首長選挙、さらには、年内解散も噂される衆議院議員選挙においても、五者協議会及び構成組織、地域・地区連合との連携をより深め、「働くことを軸とする安心社会」実現に資する政治勢力の拡大に最大限取り組む。

 (4)組織強化・拡大の取り組み

第33回年次大会にて、連合福島組織拡大2030プランを提案し、2030年に組織人員9万人の目標を掲げた。組織センター委員会を通じ引き続き構成組織・地区連合との連携強化に取り組んできた。ただ、現状は企業の縮小・撤退などで人員削減に歯止めがかからず、8万人を割り込んでいる状況が続いている。今後も構成組織・地区連合との連携により、未組織の関係会社・取引先企業等の組織化に重点に置き、多くの組織で集団的労使関係が構築できるよう推進する。

また、2023年4月に連合中央オルガナイザーが同行し実施した企業訪問を今後も積極的に展開し、企業状況の把握と共に連合の認知度を高め、労使関係づくりの環境整備と組織化に繋げていく。

Ⅲ.今期2年間の具体的な運動方針

重点分野-1
すべての働く仲間をまもり、つなぐための集団的労使関係の追求と、社会に広がりのある運動の推進

 ナショナルセンターの責務として、働く仲間の環境変化に対応した集団的労使関係の拡充・強化を追求するとともに、連合本部と連携をはかりつつ、構成組織、地域・地区連合は一体となって、労働組合の役割・必要性をより一層、地域社会・職場に浸透させるため、人財や体制など基盤強化を進める。また、持続可能な社会の実現に向けて、積極的な社会対話と発信による広がりのある運動をつくりあげる。

 

1.多様な就労者の法的保護の取り組み推進・強化

(1)すべての職場における集団的労使関係の構築に向けて、過半数代表制の適正な運用を周知・徹底するとともに、労働組合の基盤強化のための組織化・組織強化と、労働者代表制の法制化に向け組織内外への周知徹底に取り組む。

(2)集団的労使関係による成果を、より多くの働く者に波及させるために、労働協約の拡張適用などの連合方針を組織内外に示し、浸透に取り組む。

(3)「『曖昧な雇用』で働く就業者の法的保護に対する連合の考え方」を踏まえた社会的セーフティーネットの強化、「労働者」概念の見直し・拡充の取り組みの進捗に合せ展開する。

 

2.働く仲間をつなぎ支える新たな取り組み推進と組織化を担う人材の体制構築

(1)連合本部が進める「Wor-Q(ワーク)~働くみんなの連合サポートQ~」サイトの周知をはかるとともに、連合福島ホームページ等を活用した内外への幅広い情報発信を進める。また、Wor-Qの取り組みを通じてフリーランスとつながり、仲間づくりを進めていく。「Wor-Qアドバイザリーボード」、「フリーランスサミット」により、フリーランスの声を拾い、課題解決につなげていく。課題解決を要するフリーランスの真の受皿となるべくWor-Qの機能・強化に向けた取り組みを進める。

(2)連合本部との連携のもと、地方直加盟・特別参加組織・地域ユニオン(単組)の構成組織移行を進めるとともに、働き方の多様化の伴う新たな組織課題を意識した「地域ゼネラル連合」の具現化の状況を踏まえ、内容を精査したうえで、慎重に対応する。

(3)連合福島は、構成組織や地域・地区連合と連携し、組織化や健全な労使関係構築を担う実践的な人財確保と育成の態勢を整備する。そして、連合福島が主催する諸会議や連合本部・東北ブロック開催の研修会への派遣・参加を機会に理解と交流を深める。

 

3.地域・地区連合との連携を軸とした組織の充実・強化

(1)連合・連合福島の理解をより深め、連帯強化と運動目的を明確にする地区連合議長・事務局長会議を、時期及び協議内容を十分勘案した上で開催し、全体化・一本化、日常活動の充実に努める。

(2)地域・地区の主体性や意思の尊重も重要かつ必要であり、拡大事務局長会議や地域担当部長会議の定期的な開催を通じ、コミュニケーションに努める。

(3)引き続き、意見交換・交流を目的に「連合福島元気アップコミュニケーション会議」による、連合福島、地域・地区連合、単組・組合員のセンターライン強化をはかる。

 

4. 「連合福島組織拡大プラン2030」実現に向けた拡大目標の必達と基盤強化

(1)当面、連合福島9万人実現を目標とした「連合福島組織拡大プラン2030」は、構成組織、地域・地区連合一体の取り組みを進め、中間年の2025年に検証に応じた修正や補強を行い、達成を目指す。さらには、人的な基盤強化の実現に向け、ジェンダーバランスを踏まえた組合づくりを担う人財の確保と育成に取り組む。

(2)連合本部が進める地方連合会オルガナイザーの配置は、その目的と任務を明確にし、地域・地区連合の理解のもと取り組む。

(3)「連合ふくしまユニオン」は、福島県内に働くパートタイム労働者をはじめとした様々な雇用形態や中小企業、未組織労働者の労働条件確立、組合員相互の連帯と相互扶助、組織拡大を取り組む。「1人でも入れる労働組合」としつつも、定年延長による再雇用者、管理職級の扱いは、労働組合の有無、あるいはユニオン規約との整合性などを慎重に検証した上で判断する。

(4)あらゆる機会を通じて、組合づくりや集団的労使関係の重要性などを広く社会に発信し、経営者団体・業界団体などの接点を増やし、定期的な企業訪問や、さらには多様な未組織労働者とも関わりをもち、労働組合に対する理解促進および労使関係づくりの環境整備を進めて、組織化につなげる。

 

5.地域の活性化に向けた諸団体との連携

(1)連合プラットフォームの方針を踏まえ、中小企業の持続的な発展と、そこで働く人たちが安心してくらすことができる地域の活性化に向け取り組みを強化するとともに、政治や行政、経営者団体、NGO・NPO、労働者福祉事業団体、連合福島関連団体などとの対話を通じ、相互理解を深め、諸課題解決のネットワーク構築による協働の社会を目指す。

 

6.新たな社会運動を模索し、すべての働く人にとって「必ずそばにいる存在」となる運動の構築

(1)「連合アクション」では、社会運動希求層へのアプローチを中心に、市民目線の社会運動を構築し、「発信」「共感」「参加・行動」「結果の可視化・共有」の好循環による世論形成をはかる。全ての働く仲間や生活者とつながり、開かれた参加型の運動を展開する。

(2)「05(れんごう)の日の行動」は、街頭行動をはじめ効果的な方法を都度判断し、取り組みの定着と組織内外への発信に努める。

(3)連合福島ホームページ・SNSなどの充実・活用をはかり、組合員や県内で働く仲間の理解を深めるよう情報発信する。

(4)全ての働く者や生活者が連合福島の運動に共感し、理解を深める運動として、県中央メーデー・各地区メーデーを開催する。

 

重点分野-2
安心社会とディーセント・ワークをまもり、創り出す運動の推進

構造的な課題である少子高齢化・人口減少、所得格差の拡大などへの対応をはかり、GXやDXの進展とともに「人への投資」の拡充や雇用のセーフティネットの維持・強化など、すべての働く仲間のディーセント・ワークの実現に取り組む。具体的には「国・地方自治体・政党への働きかけなどを通じた政策の実現」、「三者構成を原則とした雇用・労働政策の推進」、「労使関係基盤を背景とする賃金・労働諸条件の向上と社会横断化」を運動の基軸に据え、すべての働く者のため、重点政策の実現と労働条件改善に引き続き取り組む。

 1.政策の実現に向けた取り組み

(1)連合福島は、コロナ禍で明らかとなった社会の脆弱性、相次ぐ自然災害への防災・減災の対応、国際情勢に起因する原油、原材料の不足による生活必需品の相次ぐ値上げ、円安、深刻化する人口減少や格差拡大などの解決に向けて、働く者・生活者の視点・立場で取り組みを進める。

(2)県づくりの指針や、施策を示す県の最上位計画に位置付ける「福島県総合計画」の進捗を見極め、県の重点施策実現に協力する。

(3)連合福島の「要求と提言」策定は連合福島政策委員会および専門部会を設置し、課題別分野ごとに構成組織から精通した委員の選出を行い、必要に応じ学識経験者の助言や行政、関係団体との意見交換を行う。

(4)コロナ禍で明らかとなった性差、女性の課題等については、女性の視点を重視した意見集約に努める。

(5)政策立案能力を高めることを目的に連合主催の会議への積極的参加と要請も行い、連合福島主催による研修会等を通じて、課題解決の専門的知識を深める。

(6)緊急性を要する課題が生じた場合には、その都度、地方自治体や関係機関に要請を行う。

 2.各地域・地区連合における政策・制度の取り組み強化

(1)各地区連合は、連合福島の「要求と提言」を基本に、地区実情を踏まえながら、市町村へ提出する取り組みを行う。

(2)推薦首長や組織内議員をはじめとする支援議員との意見交換の場を設け、政策実現のコミュニケーションを深めながら、政治参画意識を高める。

(3)連合福島は、各地区連合の取り組みを把握し、統一対応による政策・制度要求の充実・強化をはかる。

①「最低賃金の引き上げ早期発効を求める意見書」の提出(3月議会目途)

②「地方財政の充実・強化を求める意見書」の提出(6月又は9月議会)

③その他関連する政策への意見書提出は、随時提案し対応する。

 3.すべての働く者のディーセント・ワーク実現に向けた雇用・労働政策の推進

(1) 経済・社会を取り巻く情勢が変化するなか、労働者の雇用と生活の安定に資するよ

う、産業政策、教育政策、子ども・子育て政策とも連携し、雇用維持・確保など雇用政策の強化に取り組む。また、雇用のセーフティーネット維持・拡大の観点から雇用保険の適正拡大や、労働保険特別会計の財政安定化、地域における雇用創出事業、マッチングをはかるため、行政や経営団体等と連携をより強化する。

(2)連合が掲げる法改正等についての重点政策は、以下の対応をはかる。

①無期転換ルールについて、運用実態を踏まえたうえで、有期契約労働者の保護にかかる課題の解決に向けた見直しに取り組む。

②働きづらさを抱える者が、安心して継続的に働き続けられる社会の実現に向け、障がい者に対する合理的配慮とともに、仕事と治療の両立支援の充実を推進する。

③働く者の技術・技能やキャリア向上に向けて、非正規雇用で働く者、障がい者など含め、誰もが希望する能力開発等の機会の確保できるようリスキリングや能力開発など「人への投資」の観点からも強化を求める。

④外国人労働者について、外国人技能実習法にもとづく制度の厳格な運用を求めるとともに、特定技能制度の見直しにおいては、受け入れ状況などの実態を把握し、安易な受入れ分野の拡大を認めない。

(3)「働き方改革関連法」の定着をはかるため、36協定の適正化の徹底や労働時間把握など長時間労働の是正に継続して取り組むとともに、県内の政労使で構成する「魅力ある職場づくり推進協議会」では、「働き方改革・非正規雇用者の正社員転換・女性の活躍推進」を引き続き提言する。今年度より、女性の活躍に関する情報公表項目として「男女の賃金差異」が追加されたことから、その趣旨と内容について、周知徹底をはかる。

また、「働き方改革関連法の同一労働・同一賃金」の趣旨と内容について、セミナーの開催や街頭活動、世論喚起など重層的取り組みを通じ実現を目指す。

(4)労働災害を撲滅する観点から、物理的な職場環境の改善とともに、メンタルヘルス対策に取り組む。また、雇用形態に関わりなく、誰もが適切な安全衛生教育を受けられるよう労働行政への取り組みを進める。

(5)不当な解雇を誘発しかねない解雇の金銭解決制度について、連合本部や構成組織と連携し、導入阻止に向けた周知活動に取り組む。

(6)働く者すべての処遇改善や労働環境整備に向け、労働行政や経営者団体への要請や課題提起はもとより、労働関係分野での各種委員会・審議会への派遣・参加によって労働環境改善の意見を反映させる。

(7)集団的労使関係構築に向けて、過半数代表の選出手続きの厳格化など、周知活動に取り組む。特に、36協定締結における過半数代表者の選出には、民主的な手続きなど適格性が求められており、課題共有と周知活動については組織内に限らず、地域全体の課題として取り組む。

 4.賃金・労働諸条件の向上と地域社会を支える中小企業の基盤強化

(1)春季生活闘争や通年の労使協議を通じ、「賃上げ」「すべての労働者の立場に立った働き方の実現」と、あらゆる格差(企業間格差、雇用形態間、男女間、地域間)の是正をはかるとともに社会横断化を促進する。加えて、県内の経済・雇用情勢や労働の実態把握、春季生活闘争の課題と情報を組織全体で共有し、春闘の結果発表等はマスコミやSNS等を活用し世論喚起を図り、機運を高め交渉への後押しと支援につなげる。

(2)中小企業の経営基盤の強化と地域社会の活性化をはかるため、働き方も含めた「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の実現に向けて適正な価格転嫁や「パートナーシップ構築宣言」の拡大・実効性強化等に取り組むとともに、経営諸団体との連携を進め、各種フォーラムなどを通じてより一層強化する。

(3)福島県最低賃金を労働の対価としてふさわしい水準に引き上げ、社会的セーフティネットとしての機能強化と同時に、地域間格差を解消する水準引き上げによって地域経済の好循環を目指す。連合福島のリビングウェイジ1,030円の到達を目指し、「誰もが時給1,000円以上」の早期実現を目指す。

特定(産業別)最低賃金については、基幹労働者賃金の横断的な決定システムであることから、同一労働・同一賃金の原則に基づき、各産業での基幹労働者にふさわしい水準確保に取り組む。

また、「企業内最低賃金協定」による合意者(分子)のウエイトを高めるよう、企業内最低賃金の水準改善とその協定締結の拡大に努める。

(4)すべての働く仲間が生きがい・働きがいを通じて豊かに働くことのできる社会をめざして、「豊かな生活時間の確保とあるべき労働時間の実現」をはかる。

5.東日本大震災からの復興・創生に向けた取り組みの継続

(1)連合福島は、復興需要のピークアウトの影響を注視しつつ、ポスト復興・創生に向けた課題に対し、『第2期復興・創生期間』以降における東日本大震災からの復興の基本方針に基づき、事業を柔軟に実施するなど復興に支障が生じないよう国に求めるとともに、関係機関と連携し取り組みを進める。

(2)風評被害の状況を十分に把握し、全産品への支援を国・県・市町村に対して継続して求める。

(3)避難による住民の心のケアや帰還に向けた支援の強化を国・県・市町村に求める。

(4)連合の実施する復興実態調査に積極的に協力し、復興庁への提言や復興予算獲得など支援の継続に繋げ、復興の加速化を推進する。

 

 重点分野-3

ジェンダー平等をはじめとして、一人ひとりが尊重された「真の多様性」が根付く職場・社会の実現

 性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などに関わらず、誰もが多様性を認め合い、互いに支え合うことのできる職場・社会の実現を目指す。その実現のため、男女平等参画を推進するとともに、ジェンダー平等や「真の多様性」に向けた法整備や職場環境の改善などの取り組みを展開する。また、「フェアワーク」の実現に向けて、働くうえでの困難さが多様化している現状の対応として、すべての働く者の拠り所となるべく体制を整備する。

1.性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などに関わらず、やりがいをもって働    くことのできる職場・社会の実現

(1)パワー・ハラスメントなど防止措置義務の対象のみならず、カスタマー・ハラスメントや就活生等に対するハラスメントを含むあらゆるハラスメントの根絶に向けて、禁止規定の創設をはじめ国内法のほかILO条例の批准に向けた取り組みを連合本部の方針のもと、労働局・県・市町村もと連携をはかりハラスメントの根絶を推進する。

(2)アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)、ジェンダー・バイアス(無意識を含む性差別的な偏見)や、固定的性別役割分担意識の払拭と、性的指向・性自認(SOGI)の尊重の観点から、差別がなく、多様性を認め合う社会・職場の風土醸成に向けて取り組む。

(3)多様な家族のあり方やライフスタイルを認め合う社会と、それに相応しい制度の構築に向けて、選択的夫婦別氏制度の導入や親子・家族法制の見直し、同性パートナーの権利の確保など、連合本部方針のもとに取り組みを展開する。

(4)県内で働く外国人労働者が抱える仕事やくらし、人権などの諸課題に関し、支援団体の意見や電話相談なども活用しながら、互いに認め合う「共生」に向けた環境整備を推進する。

 

2.男女平等参画、ジェンダー平等の推進、均等待遇、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に向けた取り組み

(1)労働組合、政治、経済など、あらゆる分野で女性の指導的地位に占める割合を国際的水準も意識しながら引き上げるため、クオータ制の導入をはじめとするポジティブ・アクションを強化する。

(2)女性の意思決定過程への参画を促進し、その影響評価を行いながら政策等に反映していく「ジェンダー主流化」を推進する。

(3)2024年9月までを計画期間とする連合「ジェンダー平等推進計画」フェーズ1の達成に向け構成組織、地域・地区連合と連携のもと推進する。また、フェーズ1の実績と残された課題を検証し、次のステップに向けて取り組む。

(4)連合福島の「労働組合への女性参画」の実態を踏まえ、業種・業態等から見えてきた課題を整理し、連合福島全体で取り組む。

 (5)雇用の分野における実効性ある性差別の禁止に向けて、男女雇用平等法の実現に取り組む。また、男女間における賃金の格差をはじめ、正規・非正規における雇用形態間、多様な正社員や無期転換などの雇用管理区分の差異、および両立支援制度の運用にかかる実態を把握し、格差の是正に取り組む。

(6)雇用・所得の不安定化やDVなどにより困窮する女性への支援を強化するとともに、すべての労働者の仕事と生活の調和に向けて、育児・介護休業などの両立支援制度のさらなる拡充に向け取り組む。

(7)コロナ禍によりメンタル影響調査で明らかとなった女性の家事、育児等との仕事の両立に関して、女性視点での解決策の検討・協議を進め、男性の意識改革と協力の環境整備に取り組む。

(8)女性活躍・ジェンダー平等・多様性推進委員会を設置し、より専門的に女性活躍及びジェンダー平等の推進について議論し、実現に向け取り組む。

3.「フェアワーク」推進の取り組み

(1)非正規労働問題をはじめとする多様な働く仲間の課題解決に向けた「職場からはじめよう運動」の一層の推進とともに、「真の多様性」の実現に向けた社会的発信力の強化に努める。

(2)非正規雇用・曖昧な雇用・若年労働・外国人労働など、多様な働く仲間とつながり、課題解決や社会的波及力の強化に向けて、行政・NGO・NPOなど各種関係団体と連携した取り組みを推進する。

 

4.連合福島労働相談の取り組み

(1)これまでの労働相談キャンペーンは継続し、通常の労働相談ダイヤル(☎0120-154-052)は連合本部の集中化以降も、活用を引き続き促す。

また、連合福島ダイヤル(☎024-522-0500)へ入電された労働相談は、従来通り対応する。

(2)組合づくり相談員の育成・スキルアップをはかるため、これまでの各種データベースや事例集の活用をはかる。

(3)これまで連携してきた福島県立医科大学こころの相談の取り組みを継続し、必要に応じ連合本部へのアドバイスを仰ぎながら、心のケアの支援に取り組む。

 

推進分野-1
社会連帯を通じた平和、人権、社会貢献への取り組みと次世代への継承

 志を同じくする仲間の思いと力を、幅広く国民的課題や地域の課題に対して発揮していくとともに、戦争や大規模災害などの実相を風化させず継承していく。また、社会貢献活動への参加体験を通じ仲間の思いを結集し、運動の力を高めていく。

1.支え合い助け合い運動の推進

(1)連合福島は地域・地区連合と連携した「ゆにふぁん」活動の展開を進め、NPOなどの支え合い・助け合いの活動への参加や支援を促すとともに、労福協とも連携したボランティア活動・地域還元の活動に取り組み、広範な運動となるよう社会貢献活動に取り組む。また、支援団体の掘り起しを進め、支援の拡大をはかる。

(2)第7次連合福島ふれあいカンパについて、構成組織・地域地区と連携を図り、支援団体の精査と「ゆにふぁん」と有機的連携を行うことで支援団体のフォローアップに務める。

2.平和運動の推進

(1)連合福島は世界の恒久平和の実現に向け、連合方針を踏まえた以下に取り組む。

①在日米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本的見直し

②核兵器廃絶と被爆者を対象に国家補償にもとづく被爆者支援の実現

③北方領土返還と日ロ平和条約の締結

なお、在日米軍基地のあり方などを含めた安全保障問題については、連合本部と連携し議論を継続する。

(2)具体的には6月~9月を平和運動強化月間と位置付け、これまでの沖縄・広島・長崎・根室の平和4行動においては、現地参加による体験者の拡大と参画意識の醸成に取り組む。併せて地域・地区連合ベースでの街頭宣伝活動等により広く県民啓発に努める。

(3)ロシアのウクライナ軍事侵攻、北朝鮮のミサイル問題に続き、中国の弾道ミサイル発射などにより、国際情勢が緊迫し、平和が脅かされる事象に対して、連合本部の方針に沿って、平和の尊さ、戦争に反対するスタンスを堅持しつつ、関係団体との連携をはかりながら毅然とした行動をはかる。

(4)8月予定の核兵器廃絶と恒久平和を求める県民集会は、原水禁福島県民会議やKAKKIN福島の後援を求めつつ、広島・長崎の平和行動の理念と戦争の実相を風化させることなく次世代に継承すべく、社会アピール性の高い運動を推進する。

3.多様化する人権に関わる課題への対応

(1)多様化する今日的な人権に関わる諸課題について、連合本部と連携した運動の展開を通じ、問題意識の喚起や法整備などの対応をはかる。

(2)人権侵害救済法(仮称)、就職差別撤廃、北朝鮮による日本人拉致問題などの継続課題について、関係団体と連携した取り組みを推進する。

4.災害ボランティアの体制構築

近年、大規模な自然災害が頻発・甚大化する中、そのボランティア活動は連合福島の社会的価値の共感を高めてきた。今後は、県社会福祉協議会と締結した災害ボランティア協定に基づき、プラットフォームの機能充実・強化のため各種団体や企業との連携を順次拡大させ、組織の立場を超えて支え合いの社会を確立する。

 

 推進分野-2
健全な議会制民主主義と政策実現に向けた政治活動の推進

「連合の進路」の「基本目標」の一つである「われわれは、政権を担いうる新しい政治勢力の形成に協力し、政権交代を可能にする健全な議会制民主主義を実現する」に立ち返り、すべての働く者・生活者のための政治活動を推進する。

1.政治活動の基本

(1)「働く者・生活者を優先する政治・政策の実現を求める」、「与野党が互いに政策で切磋琢磨する政治体制の確立に向け、政権交代可能な二大政党的体制をめざす」など「連合の政治方針」の「連合の求める政治」を基本に、「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す-」の実現に向けて、構成組織・地方連合会・連合本部が一体となって政治活動を進める。

 2.政治活動の推進

(1)連合福島は、「五者協議会」(連合福島・立憲・国民・社民党・県民連合)の設立趣旨を踏まえ、各種選挙方針を確立する。また、政策制度要求に関して、これら政党や議員との連携と協議などを通じその実現を目指す。

(2)連合福島の制度・政策要求に関し、理解と協力を深めるための意見交換会や研修会を連合福島・地域・地区連合で開催する。

(3)政治活動に関して、状況に応じ、オンライン会議、SNS、動画共有などのWEBサービス活用や教育用機材の作成・配布を行い、組合員の政治参画意識を醸成し、合わせて法令順守の徹底をはかる。特に、組合員の主権者意識を高める棄権防止や期日前投票を含めた取り組みを進める。

 3.各級議会・各首長選挙における支持勢力の拡大

(1)今後予定されている各級議会議員選挙に向けて連合福島は、五者協議会の議論と各構成組織の判断、地域・地区連合の意見をこれまで以上に重視した取り組みを進めるとともに、組織内候補の積極的な擁立、組織内候補を基軸とした幅広い政治勢力の結集、五者協議会に結集する反自民非共産勢力の地方議員の拡大・組織の強化拡大の支援等に取り組む。

(2)政策実現に向け、また、働く者の立場に立つ政治勢力の拡大に向け、推薦・支持首長のさらなる獲得を目指す。

とりわけ、連合福島はこれまで地方自治体との関係性を重視しており、推薦・支持首長の拡大をはかるべく、各地域・地区連合と連携し取り組んできた。現在、県知事をはじめ、福島市長、会津若松市長、郡山市長、いわき市長、相馬市長、伊達市長、大熊町長、新地町長、西郷村長の10名の推薦と二本松市長、白河市長、国見町長の3名を支持し、その勝利の原動力となった。民主的地方自治確立と政策・制度の取り組みを推進する。

(3)当面の予定される各級議会議員選挙については、別表のとおり。

なお、選挙期日が未確定の市町村は、任期満了日により記載している。

 

 【今後の各種選挙:2023年10月~2025年4月】

選  挙  名

2023年

10月

湯川村長選、桑折町議選

11月

福島県議選、大熊町長選、相馬市議選、川俣町議選、広野町議選、

川内村議選、大熊町議選、葛尾村議選、新地町議選、金山町議選

12月

棚倉町議選

2024年

1月

矢吹町長選、小野町議選

 

2月

猪苗代町議選

 

3月

天栄村議選、下郷町議選、会津坂下町議選、柳津町議選、矢吹町議選、

矢祭町議選、塙町議選、玉川村議選、平田村議選、古殿町議選、富岡町議選

 

4月

楢葉町長選、川内村長選、只見町議選

 

5月

三島町議選

 

7月

塙町長選

 

8月

須賀川市長選

 

9月

北塩原村長選、棚倉町長選、いわき市議選

 

10月

飯舘村長選

 

11月

国見町長選、葛尾村長選

 

12月

只見町長選

2025年

2月

川俣町長選、双葉町議選

 

3月

小野町長選、双葉町長選

 

4月

郡山市長選、田村市長選、会津美里町長選、浪江町議選

※日程が確定していない選挙は任期満了日により記載。

 

4.地方政治の活性化

(1)地域の活性化には、住民自らが政治に参画し、そのうえで選ばれ構成された地方議会による民意の実現が不可欠であり、その具現化のためにも積極的に地方政治の活性化に取り組む。

(2)今年度の福島県内の各級議会選挙においても、低投票率だけでなく、無投票という課題が明らかとなった。地方自治や身近な選挙への意識が希薄化しており、連合福島は「地方自治は民主主義の学校である」と言葉にある通り、その解決に向けて学習会等を開催する。

(3)地方政治の様々な課題解決のため、連合福島と協力関係にある政治勢力の拡大を目指し、「政策実現懇談会」の設立について具体的検討を進める。

 

推進分野-3
ディーセント・ワークの実現に向けた国際労働運動の推進

1.中国湖北省総工会との定期交流

1996年より中国湖北省総工会とのさまざまな交流をはかり、友好関係が継続的に発展し、相互に成果をあげることができた。特に東日本大震災、原発事故への多大な支援には感謝の意を表し、さらに友好関係を発展させるために湖北省総工会との意見交換を行う。相互に組織課題や地域課題を共有し、テーマの設定やイベントの検討など、定期交流の継続をはかる。

2.国際活動関係団体との連携

(1)財団法人国際労働財団(JILAF)は世界各地から労働組合若手指導者を日本に迎え入れ、国際労働運動における課題の共有、日本の社会文化への理解、各労働組合と地方連合会との友好発展を目指す活動を行っている。連合福島は、連合本部からのJILAFの受入要請があった場合には、組織検討のうえ要請を受け入れる。

(2)福島県日中友好協会、福島県ウズベキスタン経済文化交流会、福島県青年海外協力隊を育てる会、福島県国際交流協会との連携を行い、連合東北ブロックおよび関係機関団体などの国際交流活動に参加する。

 

推進分野-4
連合福島と関係する組織との相乗効果を発揮し得る人財育成と労働教育の推進

人財の確保・育成・教育は、労働運動の継承と発展を支える喫緊の課題と受け止め、様々な知見を集約し、連合福島と関係する組織とともに相乗効果を発揮できる体系を構築していく。また、組織内外に対しての労働教育および労働に関わるルールや働くものの権利などを幅広く学べる機会の充実をはかる。

1.連合運動を支える人財の確保と育成

(1)連合本部が提起する「総合的な人財戦略プログラム」での提言を受け、検討を進めてきた5つの対応策(①人財バンク(仮称)の創設・運営、②将来の担い手確保に向けた取り組み、③キャリアモデルの策定、④教育研修の充実および活用促進、⑤人財交流の促進)について、連合本部・構成組織・地方連合会・関係団体等と連携し、着実な実行に移すとする方針に基づき進捗を踏まえながら取り組む。

(2)構成組織・加盟組合、地域・地区連合の理解と協力のもと、労働運動を担う次世代リーダー・女性リーダー等の人財育成を、ともに推進する。

(3)青年女性委員会の充実・強化をはかり、連合中央女性集会や東北ブロック男女平等フォーラムへの参画、連合福島青年女性委員会主催の中央連絡会議、各フォーラムの企画・運営を通じて課題の共有と主体的行動の促進をはかる。また、県の女性団体連絡会議への参画や県男女共生のつどい等の男女平等参画を推進する運動に携わる。

 

2.連合福島と関係する組織と連携した人財・知見の活用

(1)経営者団体、業界団体などとの連携を強め、連合が目指す「相互信頼を基本とした労使関係」の理解・浸透をはかるとともに、集団的労使関係の重要性について社会的に広める取り組みを強化する。

(2)現退一致の原則を踏まえ、引き続き福島県退職者連合との連携・支援をはかるとともに、「生涯組合員構想」の具現化について、連携を強め対応していく。

(3)連合福島顧問弁護士との連携を強化し、労使紛争に関わる法律相談はもとより、組合員や家族あるいは労働相談者など幅広く、たよりにされ、気軽に相談できる窓口体制づくりに努める。

 

 3.組織内外における幅広い労働教育の推進と理解を深める取り組み

(1)労働組合の社会的価値を高めていくことは重要であり、組合員からの信頼を得る取り組みはもちろん、社会全体(メンバーシップ以外)に向けて労働組合に対する理解が深められ、共鳴・共感される労働運動の取り組みを進める。

(2)社会に向けたワークルールの理解促進をはかるために、引き続き「ワークルール検定」の受験者拡大に努める。また、新たに導入されたオンライン検定の周知と社会的ポジションの向上に積極的に取り組む。

(3)連合大学寄付講座、大学・高校出前講座など将来を担う若い世代への教育についても連合本部と連携し取り組む。

(4)県労福協が開催する退職準備セミナーの周知など、構成団体として積極的に協力する。

 

運動分野を支える基盤強化
持続可能な連合運動の推進に向けて、組織・財政など運動基盤の整備・強化の課題解決に継続して取り組むとともに、組織内のコミュニケーションの充実をはかる。

1.将来の持続可能性に向けた財政のあり方

(1)地域運動の持続可能性を支え、かつ、公平さが保たれる新たな連合会費制度(地方会費の連合本部会費への一本化)の制度移行に向け、連合本部、連合福島、構成組織の相互対話もと、合意形成をはかるとともに、残された課題解決の検討と諸準備を連携して進める。

(2)連合福島は、連合会費制度を見据え、地域・地区のあるべき姿を追求した中長期的な財政計画を策定するとともに、「組織財政検討委員会」において課題を精査し、今後の財政状況を踏まえながら持続可能な連合福島運営体制の検討を行う。

(3)連合福島は、効率的かつ効果的な財政運営にあたっては、徹底して無駄を省く運用に努めるとともに、適切な会計業務を前提とした厳正的確な処理に向けて、連合福島、地域、地区連合の会計管理体制(内部統制)強化や財政の一体的な報告など、透明性の向上に継続的に取り組んでいく。

(4)地区連合への交付金のあり方は、精度を高めた予算編成や効率的な予算執行を確認し、各地区連合の会計の透明性を確保する。

(5)組織運営は、その都度の見直しをしており、コンプライアンス遵守や内部統制の再構築を実施する。また、地区連合議長・事務局長会議や地域事務局長会議を定期的に開催し、それぞれの課題や運動の共有化、全体化により連帯強化をはかる。さらに、事務局員担当者会議を必要に応じて開催し、業務の効率性を高める。

 

.連合福島全体の組織力の強化とコミュニケーションの充実

(1)DXの進展、コロナ禍などの環境変化も踏まえ、これからの労働組合の役割、活動スタイル、運動への参加促進のあり方などについて、構成組織、地区連合とのコミュニケーションを充実させ、WEB会議システムなども活用して開催機会や参加方法、情報共有の多様化をはかることで、組織的な対話活動の活性化につなげる。

(2)関係4団体(労働金庫、こくみん共済coop(全労済)、労福協、連合)との連携を継続し、ライフサポートセンターが担う機能の質的向上と、「地域に根ざした顔の見える運動」の推進として、ボランティア活動や地域還元の活動に取り組む。

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