連合福島は、福島県の復興と再生に構成組織の連帯と力強い支援で取り組んでいます。風評被害を払拭し東日本大震災から一日も早い復興を目指そう!

2020年~2021年度運動方針

 Ⅰ.はじめに

連合福島は、昨年の第31回年次大会において前期1年間の運動の検証と後期の運動方針に向けた補強を行い構成組織、加盟単組、地域・地区連合が一体となり諸活動に取り組んできた。
また、連合結成30周年を迎える中、連合ビジョンに対する連合運動強化特別委員会報告で「4つの改革パッケージ(①運動領域と重点化、②組織体制・運営、③人財の確保と育成、④財政)」が示された。連合福島は、今後これらの課題を整理・再構成されていくことを踏まえ、その前提として「構成組織、地域・地区連合との組織討議」と「規約・規則・規程」の改定に向け内容の検証を行い、第32回定期大会で最終確認すべく取り組んできた。

Ⅱ.情勢認識と課題

1.経済・雇用情勢について
わが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益が高水準を保つ中で、個人消費や設備投資が増加傾向で推移しており、緩やかな回復が続いているが、中国経済の減速や情報関連財の調整の影響を受け、輸出や生産の一部に弱さがみられている。特に、海外出荷比率の高い生産用機械や電子部品デバイスでは、生産の減少や投資の一部先送りもみられており、今後の海外経済の動向の影響に注意が必要である。
今年10月に実施された消費増税は、増税前の駆け込み需要による景気へのプラス効果も期待できるが、増税後には購買意欲の低下など消費低迷が予測され、国内景気への影響が懸念される。一方で、今年4月以降の生活必需品の価格上昇に加え、今回の消費増税によりさらに家計費支出が増加、国民生活に大きな負担を招きかねない。
そのような中、財務省が公表した法人企業統計によると、企業の利益の蓄積である2018年度末の「内部留保」(金融・保険業を除く)は前年度比3.7%増の463兆1308億円となり、2012年度から7年連続で過去最高を更新した。国内企業は非製造業を中心に過去最高水準の好業績を上げており、内部留保の拡大につながった。企業の現預金総額は2008年度に143兆円、2018年度には223兆円に膨らんだ。企業全体の人件費が約200兆円前後と、この10年余りでほぼ横ばいか微増にとどまり、企業は労働者への投資に踏み込めていない。
このことからも、2020春季生活闘争の取り組みが最重要となる。
また、今年4月より、「働き方改革関連法」が順次施行されている。長時間労働の是正を目的に、残業時間の罰則付上限規制や非正規労働者の待遇を改善するための同一労働同一賃金の導入など、日本の労働慣行を大きく転換し、ワーク・ライフ・バランスの改善や労働生産性の向上を掲げている。働き方改革は、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが重要である。
連合福島は、法改正前の今年3月25日に36協定の適切な締結と働き手不足の解消をめざして、「働き方改革の実現に向けた共同宣言」を福島労働局と締結した。引き続き、これらの取り組みに対して使用者側(経営者団体等)や行政機関の理解を深め、すそ野の広がりを求めていく。

2.政治情勢について
(1)今年4月に執行された第19回統一地方選挙では、平均投票率が86市長選挙で初めて50%を下回るなど、それ以外のすべての各級選挙で過去最低を更新した。また、道府県議会選挙と町村議会選挙の無投票当選率が、過去最高を記録するなど、深刻化する議員のなり手不足により多数の有権者が投票の機会すら奪われた。
連合は、今次選挙を働く者・生活者の立場に立った政治勢力の拡大に向けた闘いと位置づけ、組織一丸となって取り組みを進めてきた。結果として連合推薦候補の議席数を伸ばすことはできなかったが、野党勢力が分散する厳しい状況下においても前回並みの当選率を維持した。
また、男女均等を政党の努力義務とした「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行されて初めての選挙となった。女性候補者の数は増加したものの、議員数の目標は達成出来なかった。
(2)今次、第198回通常国会冒頭では、毎月勤労統計調査の不正発覚を受けて開会直前に修正された2019年度予算案が審議されたが、関連する政策や予算へ及ぼす影響に対する議論が尽くされぬまま成立に至った。その後も数多くの統計不正の発覚、不適切発言を行った閣僚の辞任、年金財政検証の遅れ、麻生大臣の審議会報告書の受け取り拒否など問題が相次いだが、政府・与党は国民に対して納得のいく説明を行うことはなかった。一方、後半国会において、野党はこれらの問題を追及すべく再三にわたり予算委員会の開催を求めたが、政府・与党が応じることはなかった。
また今国会では、約1年ぶりに党首討論が開催されたが、国の基本政策や将来の国家像に関する党首間の建設的な議論や、国民生活を左右する重要課題の議論も深まることはなく、国民の期待を大きく裏切った。
このように、国会軽視、民意軽視の安倍一強のもとでの自公政権は、その政治姿勢を厳しく叱責され、政治への信頼を取り戻すことが求められた。
(3)今年7月21日の第25回参議院議員選挙は、投票率が48.8%と過去2番目の深刻な低水準となる中、強固な支持基盤を有する自民党と公明党が改選議席の過半数を上回る71議席を獲得した。安倍一強政治に歯止めをかけることができなかった結果は、極めて残念である。
この選挙で、立憲民主党と国民民主党が獲得した議席は、3年前に民進党が獲得した32議席を下回る23議席となった。また、5野党1会派は32あるすべての1人区で候補者調整を行い選挙戦に臨んだが、獲得議席は同様の試みを行った前回の参議院議員選挙の11議席を下回る10議席にとどまった。
連合は、今次選挙を「政権交代可能な二大政党的政治体制の一翼を担う勢力構築の足がかり」と位置づけ、働く者や生活者の立場に立った政治勢力の拡大に向けて取り組みを展開してきた。とりわけ、これまでになく難しい対応が迫られる中で、立憲民主党、国民民主党とは与党を利さないことを前提に政策協定を締結し、組織力を最大限に結集し得る環境整備に注力した。しかし、比例代表の組織内候補者は10名中8名の当選、選挙区の推薦候補者は44名中18名の当選にとどまり、連合が掲げた勢力構築の足がかりとは言い難い結果となった。
(4)今年は12年一度の統一地方選挙と、参議院議員選挙が行われる選挙の年となった。先述のとおり投票率が低位を記録し、政治への無関心の高まりと議員のなり手不足も解消出来なかった。日本は、人口減少、少子高齢化、格差、貧困など社会の持続性を揺るがす諸課題に早急に対処していかなければならないが、その中心的な役割を担う政治の場から民意が離れてしまっている。このような状況、は極めて危機的であると言わざるを得ない。国民の政治への関心と信頼を高め、わが国の民主主義をさらに成熟させるために政治改革とともに、主権者教育のさらなる充実が求められる。
また、今次選挙戦において、立憲民主党や国民民主党の地方基盤の弱さが改めて明るみになった。両党はこの結果を真摯に受け止め、地道に地方の基盤強化に取り組むべきである。

3.福島県内の情勢について
(1)日銀福島支店の金融経済概況(8月分)によると、県内景気は一部に弱い動きがみられるものの、総じてみれば緩やかに回復しているとしている。公共投資は、震災からの復興へ向けた取り組みが続く下で高水準にあるものの、基調としては減少している。賃上げによる景気回復を押し上げる個人消費は、緩やかに持ち直している。設備投資は、高水準で推移している。一方は、鉱工業生産は、総じてみれば高水準の生産を維持しているものの、海外経済減速の影響から自動車関連や産業用機械、情報関連財を中心に、減産の動きが幾分拡がりつつある。雇用・所得環境は、製造業の一部に新規求人を見送る動きがみられるものの、強い人員不足感が続く中、緩やかに改善している。先行きについては、一部では弱い動きが続くものの、総じてみれば緩やかな回復が続き、当面、震災前に比べて高水準の経済活動が維持されるとみられている。今後、復興需要のピークアウトに加え、米中貿易摩擦や世界的な情報関連財の調整の影響など、県内経済への下押しには注意していく必要がある。
東日本震災と原発事故から8年が経過した。県外への避難者数は、今年9月6日現在で3万1287人となり、昨年同時期の調査時(2018.9.11現在)に比べ2049人減少した。また、総務省の2018年人口移動報告によると、福島県は、転出超過数が茨城県に次いで全国2位となった。2018年12月末現在の福島県の59市町村についてみると、転入超過となっているのは5市村(本宮市、相馬市、昭和村、西郷村、大玉村)で、その他の54市町村が転出超過となっている。
今年8月19日開かれた県地域創生・人口減少対策有識者会議では、県が県内7地域別(県北、県中、県南、会津、南会津、相双、いわき)の人口に占める子ども(14歳以下)、生産年齢(15歳から64歳)、高齢者(65歳以上)の割合を示した。2010年から2018年までの8年間の推移をまとめた結果、全県的に少子高齢化が進行し、地域の労働力を担う生産年齢人口が減少している現状が浮き彫りとなった。また、8年間の県内7地域別人口の推移では、南会津地域で減少率が15.4%となったのをはじめ全域で減少した。県は各地域の実情を踏まえ、2019年度中に次期ふくしま創生総合戦略を策定することも示した。
帰還困難区域を除く避難指示区域の大部分が解除され、帰還困難区域においても、特定復興再生拠点区域復興再生計画が認定され、除染・工事が始まるなど、避難地域の復興再生が進んでいる。
連合福島は,構成組織や組合員の理解と協力納得のもと、県民のそれぞれの立場での努力のもとに復興をすすめる姿勢が重要であり必要と認識している。そして、福島第一原子力発電所の収束、廃炉作業の進捗状況、何より携わる作業員の現状を含め、定期的に東京電力ホールディングス(株)福島復興本社から報告を受けている。引き続き取り組みを継続し、共有化をはかっていかなければならない。
中間貯蔵施設への除去土壌等の搬入については、県内に仮置きされている除去土壌等を2021年度までに、中間貯蔵施設への概ね搬入完了をめざす方針が示され、2019年度は400万㎥程度を輸送する計画となっている。
(2)政治情勢では、昨年10月28日に、福島県知事選挙が執行され、連合福島は、現職の「内堀まさお」候補を推薦し取り組みを行った。選挙戦は共産党推薦の候補をはじめとする3人の新人が立候補し、現新4名の構図で戦われた。しかし、県民の関心は一向に高まらず投票率の低下が懸念され、連合福島は組合員への投票率・得票数・得票率獲得に向けて、「棄権防止」、「期日前投票の使用促進徹底」をはかった。その結果、選挙戦を圧勝し内堀県政2期目の誕生の中心的な役割を担い、統一地方選挙・参議院議員選挙と断続的に選挙戦の続く年度のスタートを飾った。
今年は、市町村議会議員や市町村長選挙、7月の参議院議員選挙、11月の県議会議員選挙と断続的に選挙戦が続いている。本県においても全国と同様に低投票率が課題となり、本宮市・須賀川市議選は無投票、国見町議選は定数割れするなど、政治参画意識の低下が浮き彫りとなった。
第25回参議院議員選挙は「立憲民主党」、「国民民主党」と野党が分裂している状況の中、連合福島は五者協議会の存続・維持を中心に据え、取り組みを進めた。推薦決定は従来にもまして慎重かつ丁寧な検討、協議を進めたが、中央の動向が影響したことは否めない。また、比例区では9名の組織内候補を推薦し取り組みを進めた。結果、県選挙区は次点に終わり、比例区も2名の候補者を国会に送り出せなかったことは痛恨の極みである。
11月に予定される第19回福島県議会議員選挙に連合福島は、13選挙区20名の候補者を推薦・支持している。連合福島は「内堀県政与党の議席拡大」に向けて取り組みをすすめる。
政治闘争は、働く者・生活者の政策・制度要求の根幹をなす重要課題と位置付けながら、具体的運動の重要性と必要性を構成組織や組合員に示し理解を深める努力をする。

4.この1年間における取り組みの検証
連合福島「2018~2019運動方針」では、働くことを軸とする安心社会の実現に向け、組織基盤の強化に取り組むとともに、次世代継承への責任ある運動と体制の構築に注力し、連合福島の考え方を積極的発信・行動することに努めてきた。
運動方針後半期(2019年度)における取り組みの検証は以下のとおりである。
(1)組織拡大の取り組みについては、「10万連合福島」の実現をめざし、組織センター委員会において、協議並びに情報交換を行い、構成組織、地域・地区連合と連携し取り組んできた。また、「なんでも労働相談ダイヤル」に寄せられた「労働組合を作りたい」との相談者に対し、アドバイスをするものの、組合結成に向けて賛同を得る段階で組織化を断念する事例もあった。
この1年間、構成組織の継続した取り組みにより、2構成組織2単組864名が連合福島の仲間に加わった。その一方、毎年、様々な事情により組織人員が減少しており、組織拡大と併せて組織強化の取り組みがより重要となっている。
2020年10月までを目標とした「10万連合福島」実現の成果と課題を踏まえ、2020年以降の「10万連合福島NEXT(仮称)」に向け構成組織、地域・地区連合と連携し組織拡大に取り組む。
(2) 職場現場の課題も複雑多岐にわたり、労働法制も目まぐるしく改正される中、働く者を孤立化させないこと、擁護することが増々重要視される。その改善に向けて、集団的労使関係の一層の拡大が今後の重要課題である。今年は、働き方改革関連法の改正も踏まえ、クラシノソコアゲ応援団街頭行動を定期的に実施した。内2回は県内統一行動と位置づけ、地域・地区連合と連携のもと県内6箇所で実施した。その中で労働基準法の根幹をなす36協定の取り組み「“Action!36”」を広く県民に訴えた。今後も引き続き、社会対話による広がりのある大衆運動・連帯活動の推進を訴え、連合福島の存在と役割に繋げていく。
(3)昨年再開した「元気アップコミュニケーション会議」は、短期間の役員交替の中で、連合・連合福島・地域・地区連合の関係性や運動課題の共有化、コミュニケーションの強化をより強めることを目的に、昨年は春闘期に開催し、今年は参議院選挙の日程から5月に開催した。参加者からの評価もあるが、今後も丁寧な議論を行い、連合・連合福島の運動の目的と必要性について具体的な内容を示しながら取り組みをすすめる。
(4)春季生活闘争の取り組みでは、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」による継続した所得の向上、働きの価値に見合った水準確保を追求する取り組みに努めた。また、人手不足が深刻化する中、働き方改革関連法の時間外上限規制や年休取得の義務化では、職場運営にも変革が求められる。このような環境下、労使にとって「人材の確保・定着」、「人材育成」と職場の基盤整備が従来以上に重要なテーマであった。
取り組みにあたっての情勢分析として「福島県内を取り巻く課題(人口動態・経済・雇用情勢・労働環境)」や「生計費・生産性・労働市場など賃金決定の3要素」および「マクロ経済の動向」を闘争方針に盛り込むことで、春闘の意義や交渉の視点を広げた。
賃金引上げについては、すべての組合が月例賃金にこだわった取り組みの定着と賃上げの継続を意識した闘争であった。この間の取り組みの評価と課題を真摯に受け止め、次年度に繋げていく。
(5)今年の福島県最低賃金は、中央最低審議会目安に関する小委員会「目安額26円(Dランク)」の提示を受け、審議会での議論を重ねた。使用者側は、過去最高の目安額に強い抵抗感を示したが、労働側は最低賃金の持つ社会性・経済性を主張し、最終的には公労使の理解のもと賛成多数で結審した。
また、特定最低賃金改正の必要性審議では、基幹労働者賃金の水準改善の必要性を主張、使用者内での調整や労働局の運営、公益側の理解のもと、5業種すべての改正必要性有の結論を得た。ただ、使用者側には特定最低賃金不要論が根底にあり、今まで以上に特定最低賃金引上げの根拠や明確な理由付けが求められる。
今後も、「働くものすべての賃金底上げ・底支え」「地域間格差の解消」に向けて、最低賃金対策委員会を中心に、引上げに継続して取り組む。
(6)復興・創生に向けた取り組みでは、震災以降、連合本部をはじめ、各地方連合会、各構成組織、各県労福協の方々には、ボランティアをはじめ、被災地視察、行政・連合福島・県労福協との意見交換など福島県の復興支援に継続して取り組んでいる。また、連合福島は関係組織と連携し、福島復興局をはじめとする行政機関へ要請行動を実施し、公労使で復興・創生に向け取り組む。
(7)連合・連合福島の求める政策・制度の実現に向けて、連合福島は政策専門部会を設置し、具体的な要求づくりをすすめている。また、地域・地区では、それらをまとめ自治体要請行動を行っている。政策・制度の実現は早々にかなうものではないが、地道な取り組みの継続こそが重要である。連合福島の潜在能力を高め、県民の理解を深め共感を得る取り組みをすすめる。
(8)労働組合の社会的責任として政治との向き合い方は重要である。働く者・生活者が求める政策・制度を実現していくうえで、政治との関わりは避けて通ることのできない手段である。私たち労働組合は、組織された働く者がそれぞれの立場や生活者として発言や行動する存在であり、その前提は働くものの声を受け止めることの出来る健全な民主主義が社会に根付いていることである。連合福島は、投票率の低下は、その声を受け止めることになっていない結果であると理解し、特に反自民・非共産を基に設立された五者協議会を中心に据え具体化をはかっていく。また、各級議会議員選挙の支援候補者全員の当選に向け、構成組織、加盟単組、地域・地区連合が一丸となり取り組む。
(9)連合運動も30年が経過する中で、種々の制度疲労も出始め、労働組合の組織率低下に伴う組合費等の減少などを背景に、財政規律をより重視した効率的運営が求められている。また、日常会計処理など財政運営は、連合・連合福島による連結決算を徹底する必要がある。地域・地区連合の運営は専従役員の配置の難しさも増しており、経験不足も否めず、組織体制と運営についても一貫性に欠ける点も見受けられる。これらの解消に向けて、単組・組合員の理解を深め、そのための教育や研修に取り組む。併せて、運営においては拡大事務局長会議を通じて意思疎通を徹底し、日常会計処理に関しての事務取扱の徹底をはかる。同様に、連合のすすめる「連合ビジョン」も見据え「規約・規則・規程」の改正を行う。

Ⅲ.連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す-」の実現に向けた運動の基調

1.連合がめざす社会と運動の再構築
取り巻く環境が大きく変化していく中、連合は、果敢に社会課題へ対応していくための新たな連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す」を策定した。「連合ビジョン」では、2035年の社会を展望し、これまで連合が運動の基軸としてきた価値観を継承・深化させた社会像を、次のとおり提起した。

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連合がめざす社会は、働くことに最も重要な価値を置き、誰もが公正な労働条件のもと、多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的・経済的に自立することを軸とし、それを相互に支え合い、自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型社会である。加えて、「持続可能性」と「包摂」を基底に置き、年齢や性、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず多様性を受け入れ、互いに認め支え合い、誰一人取り残されることのない社会である。
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その実現に向けて、連合は政策面の充実と同時に、組合員はもとより広くの国民から共感を得られ、社会的うねりをつくる運動面を強化し、大きな社会変化がもたらす様々な社会課題を乗り越えていかねばならない。そのため、連合結成30周年を機に「私たちが未来を変える」との決意のもと、「まもる・つなぐ・創り出す」運動への再構築をはかる。それは、働くうえでの様々な困難のある仲間を含め、働く仲間一人ひとりの尊厳とくらしを「まもる」ことを根幹に置いた運動である。さらに、働く仲間の労働組合活動への参加の循環を構成組織・連合活動さらには地域活動に「つなぐ」とともに、多様なステークホルダーと対話・協働することで広がりある運動をつくりあげ、社会・経済の新たな活力を「創り出す」運動である。
同時に、2035年を展望し、「連合ビジョン」の第一歩を踏み出すにあたり、連合のあらゆる取り組みを貫くものとして、希望ある未来が次の世代に続いていく「持続可能性」と、互いに認め支え合い、誰一人取り残されることのない「包摂」の理念を、これまで以上に重視していくことを繰り返し強調する。
その観点から、グローバル規模での社会全体の取り組みとして、連合は国連「持続可能な開発目標(以下、SDGs)」の達成に向けても、様々な団体・組織と対話し、連携・協力していく。
また、国内においては新たな時代に相応しい生産性運動の深化をはかる。社会・産業を横断する社会課題(民間企業のみならず公共のサービスにおける課題を含む)に対し、社会・経済の新たな活力を創り出すエネルギーとしてどのように深化させ、活かしていくか、関係団体とともに取り組んでいく。

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連合福島は、中長期を展望する連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す-」の「互いに認め支え合う包摂の理念」のもと、県内の働く者・生活者から共感や理解を得られる運動を再構築する。また、「運動の持続可能性」を念頭に置きながら、これまでの運動とその裏付けとなる財政の検証と見直しをはかり、地域・地区連合との連携のもと県内全域における運動を継続し、地域社会から信頼される組織をめざす。
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2.連合がめざす社会の実現に向けた中期的な改革パッケージの実行
連合がめざす社会の実現に向けた運動の再構築を実践していくためには、「運動、組織、人財、財政」の基盤強化が前提となる。連合運動強化特別委員会「報告」は、基盤強化に向けた改革の方向性として、以下の4つの改革パッケージを提起した。
①『運動領域と重点化』②『組織体制・運営』③『人財の確保と育成』④『財政』

==<4つの改革パッケージ>
(1)改革パッケージ・その1(運動領域と重点化)
連合はこれまで、7つの運動領域と、その上位に「雇用・ワークルール・社会的賃金相場の形成」をおいて運動を展開してきた。今後は、運動資源を集中させる重点分野を設定し、連合・構成組織・地方連合会・地域協議会が一体となった取り組みを行う。
(2)改革パッケージ・その2(組織体制・運営)
連合運動強化特別委員会「報告」で提起された課題である、①連合本部のガバナンス機能の強化、②地方連合会・地域協議会の活動と運営体制の見直し、地方ブロックの役割・機能のあり方の検討、③地域における労働者福祉運動との役割分担・労働相談体制の見直し、④産業別部門連絡会のあり方の検討、⑤新たな加盟形態や緩やかにつながる仕組みづくりの検討、⑥労働協約の拡張適用や労働者代表制などについて、具体的に取り組む。
(3)改革パッケージ・その3(人財の確保と育成)
連合運動の継承と発展を支える人財の確保と育成を強化する。
(4)改革パッケージ・その4(財政)
連合運動強化特別委員会「中間報告」で示した「新制度に関する基本的な考え方」を踏まえ、慎重な検討と丁寧な合意形成を前提に、財政改革の検討をすすめる。
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連合運動強化特別委員会「報告」を受けて、中長期の「羅針盤」である「連合ビジョン」を踏まえつつ、基盤強化のための改革パッケージを、より短い期間の中で実行していくことが求められる。具体的には、直ちに実行できる改革は速やかに着手するとともに、実行と検証・改善のサイクルとして3期6年を視野に入れ、改革パッケージ全体については、開始5年を目途に着実に進めていく。そのうえで、5年経過後の社会や取り巻く環境の変化、政策実現の進捗などを見極め、「連合ビジョン」の内容点検とセットで改革パッケージの検証を行い、重点分野の設定を見直すなど必要な改善をはかっていく。なお、今期の運動方針については、「連合ビジョン」「改革パッケージ」のサイクルを念頭に2年間の運動方針としていく。

==
連合福島は、運動を持続させるためには「運動、組織、人財、財政」の基盤強化は重要と考える。ただ、連合強化特別委員会が示す4つの改革パッケージ(①運動領域と重点化、②組織体制・運営、③人財の確保と育成、④財政)は地方連合会や地域協議会(地区連合)に大きな影響を及ぼすものであり、連合強化特別委員会での協議経過を見守り、結果に基づく連合福島内での課題整理と機関会議での報告・協議を行う。特に財政課題は、労働組合の組織や財政規模が縮小する中、運動と組織の持続性に影響しかねない。連合福島として「財政規律の確保に向けた取り組み」を継続するとともに、本部協議に対しては「財政規模の違いによって地方連合運動の格差につながる」ことの無いよう連合本部に求めていく。
「7つの運動領域の整理と重点分野の設定」においては、現行の運動領域に対して、連合本部・構成組織・地方連合会・地域協議会(地区連合)が一体感のある運動を展開する仕組みとして、運動領域の整理と重点化(イメージ図参照)が提起されている。この運動領域の整理と重点化に、連合福島として「7つの運動領域の整理と重点分野の設定」をもとに運動方針を提起する。
今回の連合福島の運動方針は、連合の示す中長期の羅針盤である「連合ビジョン」、基盤強化のための「改革パッケージ」、それらを反映した「運動方針」に一定の理解をしつつも、連合福島の「運動の持続可能性」を基本に据えながら提起する。そして、連合の協議内容や進展によっては、必要に応じて連合福島としての意見・要望を反映させていく。
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3.運動の方針化にあたって
運動の方針化にあたっては、連合本部・構成組織・地方連合会・地域協議会が一体感を持って運動に取り組んでいけることが大前提である。そこで重要な鍵を握るものが、改革パッケージ・その1(運動領域と重点化)の実行である。
運動資源(人的・財政的な資源)の有効活用、最適配分の観点から、7つの運動領域のうち、3つを重点分野、4つを推進分野として運動を再構築し、重点分野に今期より5年間の運動資源を集中させる。
なお、重点・推進分野を実践していく上で、その基盤となる「人材・財政・組織」について、これまでは、「連合の組織機構の見直し」として記述していた項目を含め、今期は、「人材・財政・組織」を含めた「運動を支える基盤強化」とし運動方針「Ⅴ」に項目立てした。
(1)重点・推進分野の設定の考え方について
すべての働く者から頼りにされ社会に広がりのある労働運動をめざす。環境変化や様々な困難を抱えながら働く仲間に寄り添い、これまで以上に「力と政策」に磨きをかけ、誰一人取り残されることのない、包摂的な社会・職場の実現に向け、多様な人々とともに広がりのある運動をつくりあげていく。そのために、①「すべての働く仲間をまもり、つなぐための集団的労使関係の追求と、社会に広がりのある運動の推進」、②「安心社会とディーセント・ワークをまもり、創り出す運動の推進」、③「男女平等をはじめとして、一人ひとりが尊重された「真の多様性」が根付く職場・社会の実現」を重点分野とし、運動資源を集中させる。
重点分野のみならず、志を同じくする団体や個人との連帯やグローバルな連帯、そして政策を実現していくうえで必要となる政治との関わり、関係団体との連携強化なども、活動を精査しながら着実に推進していく必要がある。
そうした観点から①「社会連帯を通じた平和、人権、社会貢献への取り組みと次世代への継承」、②「健全な議会制民主主義と政策実現に向けた政治活動の推進」、③「ディーセント・ワークの実現に向けた国際労働運動の推進」、④「連合と関係する組織との相乗効果を発揮し得る人材育成と労働教育の推進」を推進分野とし、連合全体で相乗効果があがるよう運動を刷新していく。
なお、「連合ビジョン」、「社会保障・教育・税制に関する政策構想」、「2020~2021年度 政策・制度 要求と提言」、憲法を含む「国の基本政策」などで取り上げている課題については、その立案・策定段階で適宜適切に議論・協議して取り組み、その実現をめざしていく。
(2)今期2年間における運動展開にあたっての背景と考え方
改革の第一歩となる今期2年間は、「重点分野」「推進分野」「運動分野を支える基盤強化」について、下記の背景と考え方にもとづき運動を展開していく。

<重点分野>
①「すべての働く仲間をまもり、つなぐための集団的労使関係の追求と、社会に広がりのある運動の推進」
ナショナルセンターの責務として、連合が結成以来培ってきた運動の集積を、すべての働く仲間とともに新たに積み重ねていかなければならない。連合は組織人員700万人を回復したものの、多様な雇用・就労形態で働く者を含め、未だ8割を超える人が集団的労使関係に守られていないのが実態である。
すべての働く仲間をまもるためにも、法的な保護の取り組みや働く仲間をつなぎ支える新たな取り組みを推進するとともに、働く仲間とともに社会に広がりのある運動を強力に進めていく。
②「安心社会とディーセント・ワークをまもり、創り出す運動の推進」
人口減少・超少子高齢社会のさらなる進行や、AIなど技術革新の急速な進展により社会・経済環境や産業構造が大きく変化する中で、政策機能の強化と実践は不可欠の状況にある。連合は、安心を支える社会保障・教育・税制など、誰もが安心・安全に働き、くらしていくことのできる社会づくりを進め、希望ある未来を切り拓いていく取り組みを強化する必要がある。
めざす社会の実現に向けては、政策決定プロセスへの参画に積極的に取り組むと同時に、政治とのかかわりを強める意味からも、連合フォーラムとの連携をより重視しつつ、政策実現に向けていっそうその機能を深化させていく。そして、経済・社会・環境課題の統合的解決に向けた取り組み、ディーセント・ワークの実現、地域活性化に向けた社会対話の促進と中小組合への支援など、これからの時代に相応しい、社会・経済の新たな活力を創り出す運動を進めていく。
③「男女平等をはじめとして、一人ひとりが尊重された「真の多様性」が根付く職場・社会の実現」
日本の女性の指導的地位に占める割合は、労働組合をはじめ、あらゆる分野において約1割程度であり、2030年に50%をめざす世界の潮流から取り残されている。従来の「男性中心型労働慣行」を改め、性別にかかわらず活躍できる環境の実現が急務である。
誰一人取り残されることのない包摂的な社会の実現には、男女平等参画をはじめとして、多様性が尊重される職場・社会の実現に向けた取り組みが重要である。
働く環境の変化は、働くうえでの困難さをなお一層多様化させている。すべての人の人権を尊重し、性別・年齢・国籍・障がいの有無・就労形態などにかかわらず、誰もが平等・対等で、多様性を認め合うことのできる「真の多様性」が必要である。
フェアワーク」の実現に向けて、職場・社会に広く根付かせるべく、これまでの「非正規労働センター」の積み上げてきた知見を活かしつつ、新名称を「フェアワーク推進センター」とし、組織内外へ広く発信し、社会全体へ波及させていく。

<推進分野>
①「社会連帯を通じた平和・人権、社会貢献への取り組みと次世代への継承」
これまでの「支え合い・助け合い」活動を可視化・共有化し、構成組織・地方連合会が取り組んでいる社会運動を幅広く発展させていくとともに、平和、人権の取り組みをすすめる。
②「健全な議会制民主主義と政策実現に向けた政治活動の推進」
組合員はもとより未組織労働者を含むすべての働く者のための政治活動を推進していく。
③「ディーセント・ワークの実現に向けた国際労働運動の推進」
わが国のみならず、世界が持続可能で誰一人取り残されることのない包摂的な社会の構築に向けた国際労働運動を推進していく。
④「連合と関係する組織との相乗効果を発揮し得る人材育成と労働教育の推進」
連合と関係する組織とともに相乗効果を発揮できる体系を構築するとともに、組織内外における幅広い労働教育を推進していく。 

<運動分野を支える基盤強化>
その運動を持続的に実践していくうえで、基盤である「人材・財政・組織」についても同時に進めていく。これまでは、「連合の組織機構の見直し」として位置づけていた項目について、今期は、人材・財政・組織を含めた「運動を支える基盤強化」として取り組んでいく。

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運動の方針化にあたっては、連合本部・構成組織・地方連合会・地域協議会(地区連合)が一体感を持って運動に取り組む基本的な考え方と「7つの運動領域」のうち「3つを重点分野」「4つを推進分野」に運動が整理された。
連合福島として、重点分野・推進分野に整理された考え方に一定の理解を示し、これまでの運動の検証と見直し行い、限られた運動資源のもとで「7つの運動領域」を基本とした方針提起を行う。
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